2011年04月20日(水)

4月18日


今年は桜が遅かったぐらいで、水生昆虫のハッチもなんとなくぼやけてスローペースの印象。せっかく川に出かけても・・・どこぞと同じで想定外ばかり。

それでも、このところの暖かさでやっと春の顔ぶれがそろってきて川に行くのも楽しくなってきた。

昨日は、ビデオ録音に邪魔なほどにさえずりまくるウグイスに混じって今年初めてカジカガエルの鳴き声が聞こえてきた。いよいよ快適に渓流歩きが出来るシーズン突入。

この時期目につくカゲロウには、ウイングにマダラ模様のある連中がいてちょっと注目してみましょう。見分けるのは、なかなかですが、撮り歩きにはぴったりの被写体。

種類としては、マエグロヒメフタオカゲロウ・キョウトヒメフタオカゲロウ・オオヒメフタオカゲロウ(仮称)・クロタニガワカゲロウ・ヤヨイミヤマタニガワカゲロウ・ナミヒラタカゲロウその他。

ウイングだけを見ると、かなりよく似ており、すっきり見分けるにはなかなかの難物。また、特別よく似ているくせに羽化形態が、水中羽化と陸上羽化があったり。よく観察すればさらに深い生態がわかって面白いでしょう。水際で行われる陸上羽化はミモノ。




2011年03月07日(月)

3月4〜5日狩野川水系大見川


4日から、静岡県伊豆市の狩野川水系に出かけました。
ところが、早朝の御殿場では昨夜降ったらしい雪で東名高速周りの風景は真っ白。これはちょっと想定外の寒さです。
狩野川本流に到着してみると、流れには少し濁りがあり水量もこの時期としては珍しく平水以上。
例年渇水すぎて悩まされる季節ですから、まあヤマメには悪くなさそうです。
地元の方に聞くと、2月下旬に150ミリを超える雨が降り、しばらく濁流になっていてやっと落ち着いてきたところだという。
これでは少し水が多すぎるので、支流大見川へ。こっちは、水がよく澄んで平水。
しかも、流れの上空にはかなりたくさんの虫が飛び回っている。
さすがに伊豆半島は季節の進行が早い。11時の段階で、渓流に生息するウスバガガンボが無数に水辺や上空を飛び回っている。また、水際を歩くとマエグロヒメフタオカゲロウのダン(亜成虫)がパタパタ。
他には、ナミヒラタカゲロウ、シロハラコカゲロウ、フタバコカゲロウ、ブユなどが羽化している。
翌5日の昼過ぎには、オオクママダラカゲロウの羽化も確認できた。
水温は、10時頃8℃で昼過ぎには10℃ぐらいまであがった。



2011年03月02日(水)

荒川のライズストーム(埼玉県皆野町)


2月中旬、久々に埼玉県皆野町の荒川冬季ニジマスC&R釣り場へ行ってみた・・・するとどうだ。水位が下がって鏡のようなフラットになった浅いプールがザワザワしているではないか。
最初はどうせウグイの群れかと・・・が、さにあらず。これが全部ニジマスのライズ。
ただライズのほとんどが、水紋がポワリと広がるだけのディンプルライズ。それが、雨降りのように数え切れないほど同時に発生していたのだ。
ドリフターは、ちょっと小さくて体長4ミリほどのユスリカのピューパや羽化直後のアダルト。他には、体長8ミリぐらいの大型ユスリカも数パーセント混じっているが、これはまだ少ない。
私自身は、クロカワゲラを期待していたのだが、2月25日までの状況では、チラリと姿を見る程度しかまだ現れてはいなかった。このC&Rエリアは、3月末まで延長になったので、もうしばらくハイレベルのミッジングが楽しめそうです。マッチフライのサイズは、#24。



2010年01月29日(金)

消えゆく川音 その2


近頃、古い小橋が立派な橋に付け替えられ、同時に付近の護岸も作り直されました。

それなのに、なんと以前と同じ3面コンクリート護岸のままでした。

せっかく国土交通省が、「多自然川づくり」をしろと、お達しを出しているというのに・・・悲しいことです。結局この橋から下流へ約300メートルは、三面護岸になっている。

川は、元々非常に性能の良い浄水場でもある。石のゴロゴロした、早瀬や平瀬には、見た目流水のあるところだけでなく、その底石の下にも水流があり、バクテリアから、様々な水生昆虫などが棲みついている。

その代表ともいえる水生昆虫は、ただ魚の餌になるだけじゃない。落ち葉から始まる地球の食物連鎖にたいへん重要な役割をしている。つまり、落ち葉や水中の有機物を食べて育った水生昆虫は、羽化して、陸上の昆虫や動物のエサとなる。川の栄養分が、陸上生物に繋がる。

一例として、春は早くから水生昆虫の羽化がもっとも多いシーズン。これは鳥類の繁殖シーズンに重なり、他のエサの少ない時期でもあり、鳥類の存続に非常に重要である。

鳥が水生昆虫を食べて増えれば、農作物への害虫被害を減らす役割も大きくなる。

「食料増産」です。

また、目に見えない現象で難しいけど、有機物が、生物分解を繰り返されることによって、最終的にミネラル分が作られる。それが海へもたらされれば、植物プランクトンや海藻を育てる栄養となる。その先は、動物プランクトンから、魚へ。結局、落ち葉は、川を経てマグロにもなる。

この三面護岸には、魚どころか本来いるべき水生昆虫さえもまったく生息出来ない。

防災面では、三面護岸から発生する鉄砲水(高速流)が、人を飲み込む被害も例を挙げればきりがない。(近年特に痛ましい例としては、2008728日 兵庫県神戸市の都賀川で雷雨による鉄砲水にて10人以上が流され4人がなくなった)




2010年01月12日(火)

消えゆく川音 その1


2010年元旦は、我が郷里静岡県森町で迎えた。

この森町を流れる太田川にダムが完成・・・というので見に行ってみた。

ダムは、かつて私がよくアメノウオ(アマゴ)釣りに行っていたあたりの渓谷に出来ており、その変貌ぶりに愕然。

このダムを造った目的は、「洪水の被害を防ぎ、いつも水のあるうるおいのある川にする」などと展望台看板に書いてある。

まあそれを読むと、ムッとする。2005年の台風14号では、広島県の太田川流域(奇しくも同名の川)で300棟以上の家屋が床上浸水する大水害が発生したじゃないか。なんとこの時、集中豪雨で洪水になったピークに、ダムが放流して水位を上げた。

ダムというものは、構造上満水になったら放流するしかない。当然その時は、大洪水の真っ最中。結局、ダムは「小さな洪水を防いで、大水害をもたらす!!!」

・・・そうそう、ダムの崩壊も世界中で起こっている。

この静岡県太田川ダムは、東海地震の心配なエリア。その上、「工事中に左岸山腹の一部がズレてきたとか、提体に130カ所もひび割れが発生した」とかの報道があり心配ネタは尽きない。

・・・と111日の朝日新聞を見て驚いた。

「磯焼け 魚も消えた」という嫌な見出し。その内容は、駿河湾西側の藻場が磯焼けで消滅し、魚や、サガラメという海草、アワビなどが採れなくなった。その原因は不明という。

もちろん磯焼けの原因は、シンプルではない。けれども、山から川を経て海にもたらされるミネラルが不足すると、植物プランクトンが減り、海草・海藻の成長が妨げられ、磯焼けになることはよく知られていること。

その磯焼けが発生している駿河湾の西側エリアには大井川があり、本来なら、南アルプスを含む広大な山々から豊富なミネラルが供給されるはず。だが、現実には、大井川には現在15のダムがあり、大井川から海洋生物に繋がる食物連鎖は、完全に分断されている。

山からの栄養分は、行き場を失い。ダムの底に沈んで、ヘドロになるしかない。

これはダムだけの話ではない。干潟の出来る汽水域の干拓事業、河口堰など、いずれも川の食物連鎖機能を失わせ、海洋生物を滅ぼしている。

まったくダムというヤツは・・・大水害・海魚消滅・その次ぎにくるのは・・・。






2009年11月11日(水)

天竜川キャッチアンドリリース2009スタート


11月となれば、天竜川キャッチアンドリリース区間のスタート。10日は、正午過ぎに中島右岸に到着、川を遥かに見下ろすパーキングから見れば、フラットな水面にライズが見えた・・・この時、すでに曇っていたが、川へ降りる階段、ゴロタ石の踏み跡歩きでは、すっかり汗をかいてしまった。

まずは、中島第一プール右岸側流れ込みへドリフターネット(流下昆虫採集網)をセット。この時1240分。下流方向に、ポツポツとライズが見えた。

ネットを入れれば、直ぐにフタモンコカゲロウがハッチ(羽化)していることがわかった・・・だが、そのハッチもすぐにストンとレベルダウン。午後から夕方にかけて、シャック(水生昆虫の脱皮殻)主体のドリフター展開になってしまった。

結局、この午後は、水面下50センチぐらいをシャッカー#18(フタモンコカゲロウサイズシャックパターン)をナチュラルにドリフトすると、意外に好反応。サイズは・・・ですが。


さて、この前日。水生昆虫を調べようと天竜川のとある支流に入ってみた。すでに晩秋情緒の沢スジを歩いていると聞こえて来たのは、ただならぬ激しい水音。見ればそこに真っ赤なコイ?・・・いやいや、体側にルビーの斑紋をちりばめた・・・巨大アマゴ。惜しいことにそのアマゴは、たちまち姿を消し。その代わり、岸辺にはすでに産卵を終えたのか、巨大アマゴのオスがすでに息絶えていた。体長は43センチもあった。

体格から見て、この細い沢で、これほどに成長するのはちょっと難しいだろう。見かけもまったくサーモンそのまま。どうやらこれは、天竜川本流から遡上してきたサツキマスかもしれない。