2005年04月20日(水)

4月5日鬼怒川水系東荒川、田川

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4月5日。鬼怒川水系の東荒川へ。
ここでは、昼前にウスバガガンボのハッチ流下が少しあったが、それ以降まったく
水生昆虫の動きが見えなかった。
そこで、15時から同じく鬼怒川水系の田川へ移動。
この田川で水温を調べると、15:50に14.2℃。
東荒川の水温は、10:00に8℃。15:00に12.3℃。に比べるとずいぶんとこの田川の水温が高いのに驚く。
15:50からドリフターをチェックし始めた。すると、見る間にウルマーシマトビケラの羽化シャックが流下してきた。上流でハッチしているのだ。
しかし、その後もシャックのみの流下で推移。それが変わったのは18時を過ぎてから。
18:00〜18:30に、チェックポイント付近でウルマーシマトビケラがハッチ。
それが、18:30を過ぎるとドリフターは急変。この写真のような事態になった。
ヒゲナガカワトビケラのハッチがかなり派手に起こったのだ。
この田川には、ヤマメ・イワナが生息している。ウグイも多い。



2005年03月28日(月)

シマトビケラがハッチ

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3月25日は、山梨県桂川へ。
この日は春めいていたそれまでの数日とは一転して寒い日になってしまいました。
だが、この桂川は、湧水が多くこの日も10:30で気温が7.3℃に対して水温が11.7℃。
そして、11時頃から、シロハラなどのコカゲロウがハッチを始め、さらにフタバコカゲロウなども加わって素晴らしいハッチになった。
そして午後になると、ウルマーシマトビケラが、ハッチしてきて、水面は水生昆虫の乱舞。
と言いたいところですが、冬型の強風が吹いてダンやアダルトはみんな吹き飛ばされていきました。
午後の後半にはウルマーのハッチがメインとなり、久しぶりのウルマー大量ハッチとなった。
写真は、水面羽化中のウルマー。
川底の石裏に固着された石作りの繭から泳ぎだしたピューパ(蛹)は、水面に達すると脱皮してアダルトになる。アダルトは、パタパタしながら川岸に向かって必死に泳ぐ。そんな瞬間です。


ビオトープ実験

4ヶ月でビオトープに稲の花咲く

この4月、前から気になっていたビオトープ。
巨大バットというような形状のプラ舟(924×616×210 2980円 通常セメントをこねるのに使う)を庭に埋め、雨水が流れ込むようにして・・・早い話が簡易池を作ってみた。
その後、8月下旬現在、なんと稲の花が咲いており、このまま行けば、自作のお米が食べられそうです。
もちろん、化学肥料や、消毒は一切しておらず。バッタ数種がうまそうに稲の葉を食べている。もっともそれを狙ってカマキリも出没しており、そのハンティングを見ているとかなり楽しめる。
肥料分としては、最初入れた底土に腐葉土を混ぜただけ。
それから、最初8匹入れたメダカが、あっという間に10倍以上に増え、今や3世代目が育っている。これには感動。
最初以外はエサもやらないで繁殖出来ているのは、ミジンコの存在が大きい。難しそうだった水質維持も、程よい透明度をずっと保っている。
自然の能力というか、エアレーションも、水の浄化装置も無し。ただ、抽水・水生植物が茂っているだけ。
その植物は、稲以外にヒシ、ヒメスイレン、マツモ、フサモ、ショウブその他水田で雑草と呼ばれる植物諸々。
メダカ以外は、スジエビ・ヨシノボリ(両種とも近所の溜め池から)、イトトンボヤゴ、タニシその他が生息している。
とりあえずの難題は、アオミドロ。日々増殖しており、しょっちゅう間引くのが厄介である。
後はフタバカゲロウが産卵に来るのを期待したい。



狩野川にモンカゲロウ羽化


4月18日狩野川。10:30。採集ネットを流れにセット。
まだ降ってはいないものの今にも降り出しそうな天候。河原の上空には、まれに見るほどたくさんの鳥が猛スピードで乱飛・・・これはツバメ?いや反転飛行の腰(背の下部)に白色斑が見える。どうやらイワツバメか。
当然この写真にも写っているはず・・だった。だがどうやら雨雲で暗いため、光量不足でカメラのシャッタースピードが遅くなり流れて写らなかった。
そんな有様で、空をボーッと眺めていると上流から風に乗って巨大なカゲロウが飛来。10:47。だが、手にネットはなく捕獲出来ず。見た限りではモンカゲロウ。
11:00までのドリフター(流下生物)は、ヒロアタマナガレトビケラ(ピューパ)、アカマダラカゲロウDun、フタバコカゲロウDun、メイズコカゲロウDunその他、まだ量は少ないが、これからいいハッチが期待できそうだった。
11時を過ぎると、モンカゲロウの脱皮殻が流下し、直後にダン(亜成虫)が流下。さらにコカケロウ系数種がハッチ流下。
ドリフター量は、時を追うようにドンドン増えてきた。
それなのに、流れにヤマメなどの動きはまるで見えない。13時16分ついに雨降り出すも、やっぱりライズ無し。やむなく撤収して上流へ移動。
ハッチ系ドリフターのピーク?に撤収移動という判断ははたして如何なものか・・・。
この後、ビショ濡れ狩野川ドリフチェッカー旅がどうなったかは、5月下旬発売の雑誌「Fly Fisher」第24回ドリフチェッカーに掲載予定。



No.201 水生昆虫とは川虫のこと

A rock is necessary for the aquatic life.

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かつて、川の早瀬には大石がゴロゴロあって白い波しぶきがはじけ、底なしのような深い大淵もあった。
それがどうだ、いつのまにか大石はどこかへ消え、水もろくに流れてこなくなった。小砂利ばかりになった平ッ川に魚はもちろんのこと水生生物全体の顔ぶれはスカスカ。あるのは、「川をきれいにしよう」という看板ばかり。
川の瀬にある石ころ。たかが石ころだ、あろうとなかろうとどうでもいいのか?
そうはいかない、例えば、メロン大の石一つにも数10種、個体数なら数10いや100近い水生昆虫(生物)が棲んでいるのだ。これはもう一つの町であり惑星ともいえるかもしれない。
川といえば、まず魚の話ばかりが出る。しかし、川は、まず水が流れてそこに石があることが重要。この石が大量に積み重なって初めて宇宙空間のような深遠な生態系が構築されるわけだ。水と石がなければ、水生昆虫(生物)が生息出来ず、魚も育たない。
川の潜在的生命力は水だけでなく石にある。ある水生昆虫は、石表面に生える付着藻類を食べ、ある種は流れてきた落葉を食べる。当然、肉食のライオンに匹敵するような恐ろしい捕食生物もおり、ハイエナ役の生物もいる。そう、ちょうどアフリカのサバンナと同じような食物連鎖がこの石一つに存在している。
元をたどれば、大地から生えた樹木の落葉がヒラリと流れに落ちたことから始まる川の食物連鎖。それはやがて海へ至り7つの海を巡り、結局、我々人類の口に帰ってくる。
石たかが石。その石が無くなっている。近年日ごとに川の石が消えていくのはなぜでしょうか。小石や砂ばかりでは、川虫は棲めず、魚の隠れ場所もない。
ちょっと今度の日曜日、川へ行ってみませんか。川に水は流れていますか?石はありますでしょうか?


No.202

Mayfly Nymph Epeorus curvatulus Matsumura

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カゲロウ幼虫の特徴は、腹部にエラがあること(薄い木の葉状に見えるのがエラ)尾は2本の種も3本の種もいる。

写真はウエノヒラタカゲロウ幼虫。
日本各地の山地流から平地渓流の早瀬に生息するヒラタカゲロウ科の幼虫。
体長は最大14mm。