2008年07月01日(火)

鬼怒川6月25日


鬼怒川(栃木県塩谷町)左岸。朝8時から川に入る。
暗い曇り空に時々小雨もじっとりと降ってくる。水温は11.8℃。
水温、天候どれをとっても、素晴らしい好条件。それなのに、水生昆虫はまったく姿を見せない。
仕方なく昼からは、車で20分ほど東へ走った荒川(那珂川水系)へ移動。
ところが、ここでも岸辺や水面にまるで虫の気配がない。よほど日並みの悪い日だったようだ。これまでなら、ポイントごとに立ち込んでいた釣り人もまったく誰もいない。寂しい限りで・・・ところが、悪状況で人が来ないと逆に良いことも起こる。それまで隠れていたモンスターが余裕で姿を現し、勝負することが出来た。
そして17時から、また鬼怒川へ。ところが、そうそう良いことは無く、エラブタマダラカゲロウとアカマダラカゲロウがホンの一瞬少量羽化しただけで、暗くなってしまった。
まあ、水生昆虫の羽化というものは、大雨嵐や増水だと確実にダメだし、このような絶好の天候でもダメという日もある。天気と虫の都合だけは手の打ちようがない。
また出直しです。



2008年06月14日(土)

鬼怒川6月13日


6月13日栃木県塩谷町の鬼怒川左岸。
なが〜く続いていた増水もやっと落ち着いてきて、水の透明度も上がった。
ここは、水温が低いため関東の平地渓流としては、水生昆虫の羽化シーズンがもっとも遅れて進行するところ。まさにこの写真を撮った頃もちょうどモンカゲロウのハッチがチラホラ見えています。約1ヶ月も遅い感じ。水温を測ってみると、11.7℃。
3日前の利根川前橋では、ほぼ同時刻同天候で水温が17℃を超えていた。水温が5℃も違うというのは、水生昆虫にとってたいへん大きな生息環境の違いといえるだろう。
ここでは、ほかにエラブタマダラカゲロウ、アカマダラカゲロウが多く羽化しており、量は少ないもののチェルノバマダラカゲロウ、オオマダラカゲロウの姿も見られた。
だが、ふと足元のヨシを見てギョッ!巨大昆虫・・・タイリククロスジヘビトンボ。全長で55mmもあった。



2008年01月17日(木)

2008年1月天竜川にユスリカがハッチ


2008年1月15〜16日は、天竜川(静岡県浜松市)C&R区間中島でドリフターチェック(流下水生昆虫調査)とフライフィッシング。
流れは、相変わらずダムの影響でササ濁り。水温は、6.2から6.5℃ぐらい。
ハッチ状況は、昼前から16時頃までユスリカがメイン。
幅25cmのドリフター採集ネットには、30分で目算100以上というユスリカの成虫がどんどん入った。他には、出始めのクロカワゲラアダルトやそろそろ終わりのネイブルコカゲロウのハッチも混じっています。
これだけ、ユスリカの流下があれば、ニジマスもライズしそうなもの。ところが、なぜかニジマスの動きが悪い。ライズは非常に希で、ニンフやウエットフライを流すフライフィッシャーもなかなか苦戦しているようでした。
まあ、それもそのはずで、写真のトラウトは、魚体に似合わずユスリカのピューパだけしか捕食していませんでした。大きなフライや動きのあるフライにはまったく関心を示さなくなっているようす。これからしばらくは、ユスリカピューパの釣り、ミッジングの研究に面白そうです。



2007年10月04日(木)

宮城県大川の流下採集9月25日


渓流釣りシーズンも最後ということで、宮城県山形県をひとまわりしてきました。
9月25日に入ったのは、宮城県気仙沼の大川。その通称「新月渓谷」にはキャッチアンドリリースエリアがある。ここで、早朝6時30分から真っ暗になる午後6時まで流下採集を行った。
早朝から天候は晴れ。
この川での9月の流下採集は始めてということで何が来るかと期待は大きい。
しかし、先の台風系大雨の影響はここでも大きかったようで水生昆虫の姿は非常に少ない。実際、鉄橋の護岸には大増水の痕跡がハッキリ。どうしても、大増水の後は、水生昆虫が激減してしまう。そんなわけで、ハッチ系の流下で目立ったのはヨシノコカゲロウぐらい、トビケラもカワゲラもまるで見られなかったのは残念。その代わり、オニグルミが次々と流下してきて苦笑。
水温は16℃からスタートして最高は午後2時30分に19℃を越えた。現地は、見たところ山地渓流なのだが、上流は、開けた地形で水田なども多くあり晴れると日照によって水温がかなり上昇してしまう。
結局、この水系は一日で終了。そのまま夜に走って一迫川へ向かった。



2007年09月17日(月)

ビオトープ9月15日

ビオトープにキイトトンボが羽化

9月15日
関東地方の渓流は、まだ台風の影響があり水生昆虫ウォッチャーにはあまりよい状況ではありません。
我が家のビオトープは、台風の影響もなく、季節がどんどん進行しております。
期待した稲は、あまり実が入らず、いまだペチャンコのが多くガッカリです。もう周囲の田んぼでは稲刈りシーズン真っ盛り。多農薬、化学肥料には負けたくかなったのですが残念です。
その代わり、ヒシの根元には、実が大きく生長していました。
てっきり、この実は、水底に沈んでから大きくなるものと勝手に思いこんでいたのでビックリです。ヒシの実はおいしいらしいので、熟すのが楽しみです。
そして最近、庭先を黄色い小さなイトトンボがよく飛びまわっており不思議に思っておりましたら、なんとビオトープから羽化してました。
体長4cmぐらいで、「キイトトンボ」という種。私がよく行く渓流ではまったく見かけることはありません。
図鑑には主な生息地が浅い池と書かれており、規模の小さなビオトープはもっともこのトンボには適した環境なのかも知れません。そのかわり、このトンボ達の成長には、たくさんのメダカの仔が捕食されたかと思います。でも、そんなことはまったくそぶりにも見せず、メダカたちは元気に群れております。



2006年12月21日(木)

冬の川でもオイカワがライズ


ここは、埼玉県東松山市の都幾川。荒川水系です。
久しぶりに来てみると、この下流の瀬では、地元の方々が、ギンナンの実を洗う?というか例の異臭を放つ果肉の腐らせたヤツから種を取り出す作業をやっていました。
冷たい流れに手を突っ込んで、ギンナンをもみ洗い・・・たいへんな作業。
平瀬で水生昆虫を観察しようと来たのですが、そういうわけで、川中に例の果肉が流れ積もっており断念。
ふと、その上流プールを見ると鏡のような水面に、水紋が広がっています。(矢印)
だが、画像では、ほとんどわからないくらいの極小ライズです。
これはたぶんオイカワ(コイ科の魚。右上ph)あたりが、何かドリフター(流下水生昆虫)を食べているようです。ユスリカが羽化しているのかも知れません。
そこで流れにネットを入れてドリフターをチェックしてみました。(左上ph)
すると、ユスリカは確かに羽化しているようで、3ミリから9ミリほどの脱皮殻。それから、ネイブルコカゲロウも羽化した後の脱皮殻が入っていました。このコカゲロウは、春や秋に羽化する、体長6ミリほどの小さなカゲロウで特に秋の羽化期は長く、関東の平地だと冬にまで見られる。
それから、体長1.5ミリほどのアブラムシも意外に多く流れています。
というわけで、このプールにいるオイカワは、脱皮殻やアブラムシを捕食するためライズしていたのです。
そこで試しに、フライをキャストしてみました・・・。
ところがなかなか釣れません。ライズの水紋が小さかったのは魚体が小さいからのようです。
オイカワの、フライフィッシングでは、魚体が小さいほど釣るのが難しく面白い。一般的なフライフィッシングのようにより大物を狙うという傾向とはちょっと違う(私の好みですが・・・)
結局、#24のユスリカシャックパターンでヒットしたのは、体長6センチのオイカワ。マイレコードとしては、確か4センチだったので、この程度ではまだまだ・・・20分ほどでやっと2匹ヒット。ところがここで急に曇ってきて風が。
こういったプールのライズでは、風が吹いてさざ波が立つとライズはピタッと止んでしまう。
また風のない日に来ましょう。
冬とはいえ、雪のない平地では、オイカワ以外にもカワムツやウグイもライズして遊んでくれます。特にカワムツは口が大きく釣るのはオイカワよりもずっと簡単。お試し下さい。