水生昆虫Riverファイル

2010年05月24日(月)

男鹿川三依地区キャッチアンドリリース区間オープン


4月19日栃木県鬼怒川を上流へ向かい支流の男鹿川へ。
この男鹿川には、すでに川治温泉付近にキャッチアンドリリース区間があ、その様子は雑誌Fly Fisherでの記事やDVDで何度も取り上げているところ。その上流三依地区に、この春から、さらにキャッチアンドリリース区間が追加オープンとなった。
ここは、見てのとおりの素晴らしい渓畔林があり、清冽な水が流れている。
そして、キャッチアンドリリースのおかげで、5月下旬になる頃になっても、多数のヤマメが泳ぎ回ってライズもしている。まあ、その辺の話は、近々作る予定のDVDに取り上げますので、ご覧下さい。
まっその取材中にふと足元を見ると、セスジミドリカワゲラの羽化に混じって、トンボのヤゴがウロウロ。それがしばらくすると、見事羽化成功。その一部始終に見とれてしまいました。
このヒメクロサナエトンボは、山地渓流に生息する種で、羽化後もう少し時間が経つと、ビシッと黒いボディにイエローのストライプの入った美しいトンボになる。
このあたりは、標高が高く水生昆虫の本格的ハッチシーズンは、まだこれからというところで、たいへん楽しみです。



2010年01月29日(金)

消えゆく川音 その2


近頃、古い小橋が立派な橋に付け替えられ、同時に付近の護岸も作り直されました。

それなのに、なんと以前と同じ3面コンクリート護岸のままでした。

せっかく国土交通省が、「多自然川づくり」をしろと、お達しを出しているというのに・・・悲しいことです。結局この橋から下流へ約300メートルは、三面護岸になっている。

川は、元々非常に性能の良い浄水場でもある。石のゴロゴロした、早瀬や平瀬には、見た目流水のあるところだけでなく、その底石の下にも水流があり、バクテリアから、様々な水生昆虫などが棲みついている。

その代表ともいえる水生昆虫は、ただ魚の餌になるだけじゃない。落ち葉から始まる地球の食物連鎖にたいへん重要な役割をしている。つまり、落ち葉や水中の有機物を食べて育った水生昆虫は、羽化して、陸上の昆虫や動物のエサとなる。川の栄養分が、陸上生物に繋がる。

一例として、春は早くから水生昆虫の羽化がもっとも多いシーズン。これは鳥類の繁殖シーズンに重なり、他のエサの少ない時期でもあり、鳥類の存続に非常に重要である。

鳥が水生昆虫を食べて増えれば、農作物への害虫被害を減らす役割も大きくなる。

「食料増産」です。

また、目に見えない現象で難しいけど、有機物が、生物分解を繰り返されることによって、最終的にミネラル分が作られる。それが海へもたらされれば、植物プランクトンや海藻を育てる栄養となる。その先は、動物プランクトンから、魚へ。結局、落ち葉は、川を経てマグロにもなる。

この三面護岸には、魚どころか本来いるべき水生昆虫さえもまったく生息出来ない。

防災面では、三面護岸から発生する鉄砲水(高速流)が、人を飲み込む被害も例を挙げればきりがない。(近年特に痛ましい例としては、2008728日 兵庫県神戸市の都賀川で雷雨による鉄砲水にて10人以上が流され4人がなくなった)




2010年01月12日(火)

消えゆく川音 その1


2010年元旦は、我が郷里静岡県森町で迎えた。

この森町を流れる太田川にダムが完成・・・というので見に行ってみた。

ダムは、かつて私がよくアメノウオ(アマゴ)釣りに行っていたあたりの渓谷に出来ており、その変貌ぶりに愕然。

このダムを造った目的は、「洪水の被害を防ぎ、いつも水のあるうるおいのある川にする」などと展望台看板に書いてある。

まあそれを読むと、ムッとする。2005年の台風14号では、広島県の太田川流域(奇しくも同名の川)で300棟以上の家屋が床上浸水する大水害が発生したじゃないか。なんとこの時、集中豪雨で洪水になったピークに、ダムが放流して水位を上げた。

ダムというものは、構造上満水になったら放流するしかない。当然その時は、大洪水の真っ最中。結局、ダムは「小さな洪水を防いで、大水害をもたらす!!!」

・・・そうそう、ダムの崩壊も世界中で起こっている。

この静岡県太田川ダムは、東海地震の心配なエリア。その上、「工事中に左岸山腹の一部がズレてきたとか、提体に130カ所もひび割れが発生した」とかの報道があり心配ネタは尽きない。

・・・と111日の朝日新聞を見て驚いた。

「磯焼け 魚も消えた」という嫌な見出し。その内容は、駿河湾西側の藻場が磯焼けで消滅し、魚や、サガラメという海草、アワビなどが採れなくなった。その原因は不明という。

もちろん磯焼けの原因は、シンプルではない。けれども、山から川を経て海にもたらされるミネラルが不足すると、植物プランクトンが減り、海草・海藻の成長が妨げられ、磯焼けになることはよく知られていること。

その磯焼けが発生している駿河湾の西側エリアには大井川があり、本来なら、南アルプスを含む広大な山々から豊富なミネラルが供給されるはず。だが、現実には、大井川には現在15のダムがあり、大井川から海洋生物に繋がる食物連鎖は、完全に分断されている。

山からの栄養分は、行き場を失い。ダムの底に沈んで、ヘドロになるしかない。

これはダムだけの話ではない。干潟の出来る汽水域の干拓事業、河口堰など、いずれも川の食物連鎖機能を失わせ、海洋生物を滅ぼしている。

まったくダムというヤツは・・・大水害・海魚消滅・その次ぎにくるのは・・・。






2009年11月11日(水)

天竜川キャッチアンドリリース2009スタート


11月となれば、天竜川キャッチアンドリリース区間のスタート。10日は、正午過ぎに中島右岸に到着、川を遥かに見下ろすパーキングから見れば、フラットな水面にライズが見えた・・・この時、すでに曇っていたが、川へ降りる階段、ゴロタ石の踏み跡歩きでは、すっかり汗をかいてしまった。

まずは、中島第一プール右岸側流れ込みへドリフターネット(流下昆虫採集網)をセット。この時1240分。下流方向に、ポツポツとライズが見えた。

ネットを入れれば、直ぐにフタモンコカゲロウがハッチ(羽化)していることがわかった・・・だが、そのハッチもすぐにストンとレベルダウン。午後から夕方にかけて、シャック(水生昆虫の脱皮殻)主体のドリフター展開になってしまった。

結局、この午後は、水面下50センチぐらいをシャッカー#18(フタモンコカゲロウサイズシャックパターン)をナチュラルにドリフトすると、意外に好反応。サイズは・・・ですが。


さて、この前日。水生昆虫を調べようと天竜川のとある支流に入ってみた。すでに晩秋情緒の沢スジを歩いていると聞こえて来たのは、ただならぬ激しい水音。見ればそこに真っ赤なコイ?・・・いやいや、体側にルビーの斑紋をちりばめた・・・巨大アマゴ。惜しいことにそのアマゴは、たちまち姿を消し。その代わり、岸辺にはすでに産卵を終えたのか、巨大アマゴのオスがすでに息絶えていた。体長は43センチもあった。

体格から見て、この細い沢で、これほどに成長するのはちょっと難しいだろう。見かけもまったくサーモンそのまま。どうやらこれは、天竜川本流から遡上してきたサツキマスかもしれない。




2009年07月14日(火)

アメリカ アイダホ州 ラストチャンス(地名)ヘンリーズフォークリバー


6月末から、アイダホ州とモンタナ州の川を回って来た。最初の目的地が、このヘンリーズフォークリバー。着いてみると・・・「やっマズい!」川の水位が例年に比べて20センチぐらいも低い。また、夕方のべストタイムに、フライフィッシャーの姿もホンの数人。こんな閑散として寂しいラストチャンスは初めてだった。昨年一昨年と水生昆虫の状況がイマイチ良くなかったこともあり、かなり心配した。
ところが、翌日から川に入れば、グリーンドレイク(トゲマダラカゲロウ属)のハッチが、絶好調。朝のスピナーから始まり昼はハッチで大盛り上がり。45センチ平均ぐらいのトラウトが多数ライズ。
夕方は、また、諸々ドリフターの流下で、久々に、地元で言うライズポッド(ライズの集中多発エリア)が何カ所も発生した。
今回は、これまでほとんど立ち入っていない、ローワーヘンリーズフォーク(アシュトン下流)も2日間ほどボートを使って回った。ここにもまた、ライズポッドが発生して期待したが、惜しいところでライズならぬライウ(雷雨)襲来で撤退。次の目的地は、モンタナのミズーリリバー。



2009年05月30日(土)

5月13日栃木県日光市川治温泉男鹿川C&Rエリア


5月13日、栃木県日光市川治温泉の男鹿川キャッチアンドリリースエリア。
この季節でも、水温がまだ10〜11℃という冷たい流れ。そのため、今でも昼頃に一山ハッチのピークがあり、ライズが発生。
ドリフターは、シロハラコカゲロウにヨシノコカゲロウ、トビイロコカゲロウ、ネイブルコカゲロウとコカゲロウ系がメイン。ただ、その量から比較すれば、メインとはいえないけれども圧巻はミドリカワゲラ(セスジミドリカワゲラ)。ポトリポトリと落ちているのだ。
左岸沿いにある遊歩道からちょいと降りて水際を見て回ればその陸上羽化シーンがあちこちで観察出来た。これほど楽に観察出来るポイントも珍しい。だいたい11時ごろから午後の後半ごろまで観察に適している。美しい黄金ストーンフライの羽化シーンをご覧ください。
また、夕方18時ごろからは、再びライズが始まり、ピークにはほとんどライズストーム状態。
しかし、そのライズの数がいくらすごくても、トラウトの賢さも並ではなく、かなり冷や汗もの。
その上、ただ難しいというだけではない。50センチオーバーもザラだし、フルライン走られてそれっきりという場面もあった。




2009年04月25日(土)

4月19日ドリフチェッカー in 千曲川


4月19日は、フライショップ「マウンテンロックリバー」主催のドリフチェッカーイベントを千曲川(長野県小海町)の2カ所で開催。
当日は快晴の下、地元の方々はもちろんのこと、横浜や三重県からも参加してくださった方がいらっしゃいました。そんなもう汗ばむような陽気で、水温も最高14℃まで急上昇するような状況。それでも、ネットを入れた10時頃、ネットのすぐ上流でライズが発生・・・と、非常にラッキーな展開。
スタートから6分後にチェックしたネットには、もうシロハラコカゲロウのダン・・・・その一方で、足下の岸際をちょっと探すとシロハラのダンがトラップドになって浮いていた。これで、ドリフターとライズの関係がハッキリと再認識出来たかと思います。
その後は、サイドコカゲロウやフタバコカゲロウのハッチ流下があり、岸辺にはオナシカワゲラが常に見かけられた。ハイライトは、昼頃のオオクママダラカゲロウのスピナー。ハッチはまったく見られなかったのに突然の流下があった。
なお、後半には参加メンバーが実釣に入り、それぞれがいいヤマメをヒットさせていた。
最近の千曲川は、稚魚放流したヤマメが良い状態で育っており、それが大きな魅力になりつつある。
今回主催していただいた、マウンテンロックリバーさんでは、夏までにもう一度ドリフチェッカーイベントを開催したいという計画がある。興味のある方はショップにお問い合わせください。
マウンテンロックリバー(長野県佐久市)http://mt-like.ailesys.co.jp/
TEL 0267-67-2170



2009年04月21日(火)

4月15〜17日栃木県藤原町川治温泉男鹿川C&R区間


4月15〜17日栃木県藤原町川治温泉男鹿川C&R区間。
栃木県は、4月14日の午後より雨が降り出し。私がいた、鬼怒川沿いの山間部では、嵐のような大雨となった。当然そうなると一般渓流ではかなりの増水となった。
そこで、増水に強いダム下テイルウォーターの男鹿川C&R区間に行ってみた。すると流れはほとんど平水で、濁りも無かった。
早速、渓流沿いの遊歩道へ降りてみると・・・なんと、そこにはバコバコと続くランライズ。
午前10時のことだった。それが昼近くなると、足下の周囲から中型のカゲロウがバラバラと湧くように飛び出して・・・マエグロヒメフタオカゲロウのハッチが始まった。
渓谷に春の到来を告げるビジュアルサインのマーチブラウン(4月ですが・・・)メイフライだ。
だが、流れの中は別世界。シロハラコカゲロウとトゲトビイロカゲロウの両水面羽化キャラクターのダブり・・・とそこへ、風が吹き出してノックダウンが発生。マエグロドリフターが加わった三つ巴状態。まったく面白い季節だ。
なお。このC&R区間は、今期から大型ニジマスをメインにした釣り場に変貌しており、非常に楽しみな川になった。そして、この流れを管理している藤原町漁協のメンバーと会談の機会があり、刈田は、水生昆虫そしてライズを意識した「最高に面白いC&Rリバー」へ向けた協力をすることになり、C&R区間特別顧問担当になりました。



2009年04月18日(土)

4月14日栃木県塩谷町鬼怒川


曇りのち雨という天気予報を承知で、栃木県塩谷町の鬼怒川へ。
11時過ぎに現着。今にも降りだしそうな暗い空は、スーパハッチを大いに期待させる・・・・が、予想外だったのは、かなりの渇水。
解禁以降、様々な釣り人に攻められ続けてこの低水位。これではいくらドリフターがあっても日中のライズは難しいかも?
・・・まっ、ヤマメのご機嫌はともかく。4月にこのような水生昆虫的好天は非常に貴重・・・なのに、期待のドリフターは極少、相変わらずツイておりません。
それでも、12時過ぎにやっとポワンという小さなディンプルライズを発見。まるで、ウグイの稚魚か・・・とでもいうようなショボイライズ・・・でもこれが・・・。
ドリフターは、急増したトビイロコカゲロウの羽化したシャック数十体、ユスリカパラパラ.エラブタマダラカゲロウのスピナー1匹、ヒゲナガカワトビケラのシャック2体。
ネットには入らないが、ヒゲナガのアダルト、ウルマーのアダルトは時おり水面へ飛来している。
これらのデータを、どう読みどう釣るかが、フライフィシングの一番楽しいところ・・・。
程なく鬼怒川は、ザーザー振りの雨となり、お楽しみのイブニングも出来ずに撤退。またの出直し。



2009年03月30日(月)

荒川(埼玉県)のスウォーミングとドリフター


私の場合、土日祝日は川が混むのでお休みにして出かけない。それが日中吹いていた風も弱まり、なにやらいい感じなので最寄りの荒川までウォーキングしてみた。
家から、最短コースをたどり急ぎ足で歩くと約35分。荒川河川敷の麦畑に到着。
さらに流れを見ようと、麦畑を突っ切ってヨシ原に向かう。すると突然、ワンワンと乱れ飛ぶ羽虫の巨大な群れに遭遇。午後4時30分。
一瞬ユスリカかと思った。だがサイズがやや大きく、しかも脚が長い。どうもガガンボらしい。そこで携帯用折り畳みネットを振り回す。たった一振りで何十匹も入る。これほど楽な昆虫採集もない。ウスバガガンボだった。これは、流水性のガガンボでこの時期昼前後に羽化し、夕方水際に集合して産卵行動が見られる。その産卵直前のスウォーミング(交尾する為にある特定の空間に集合して群れ飛ぶ現象)にであったのだ。
それから、荒川の水辺に降りる。ところが、こっちにはまるで水生昆虫の気配はない・・・
しばらく流れをチェックしていると、やっとヒラタカゲロウの仲間らしい羽化失敗個体が流れを漂っているのを発見。手に取ってみれば、ソラックス(胸部)の特徴からサツキヒメヒラタカゲロウ。このカゲロウは、サツキというくらいで初夏に羽化シーズンを迎える。ところが、日当りの良い流れや、暖地では4月上旬から羽化することがあり、紀伊半島南端の流れでは、12月に羽化していた。羽化シーズンの研究もなかなか難しい。



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