水生昆虫Riverファイル

2012年04月29日(日)

4月29日快晴後曇り


静岡県西部を流れる太田川水系吉川。水生昆虫の年間最高レベルのハッチピークにさしかかる季節です。
しかし、渓畔を歩くだけで汗がだらだら流れ、水生昆虫の姿はまったく見えません。水位が10センチ以上高いのは、数日前の雨でしょうか、薄い濁りもある。それでも強い日射しに、水温は15時に18℃にまで急上昇。
その15時頃からやっと薄雲が広がりやや過ごしやすくなってきました。
結局渓畔では、シオヤトンボだけが大きな顔をしてハンティングをしており、流下昆虫を集めるネットにも脱皮殻すら入ってきません。
少し変化が出たのは、17時を過ぎてから。
モンカゲロウとナミトビイロカゲロウの脱皮殻が流下しいよいよ何かが始まりそうな前兆・・・が。まともに観察出来た水生昆虫といえば、セスジミドリカワゲラ成虫、コグサヒメカワゲラ成虫、サツキヒメヒラタカゲロウ成虫だけがそれぞれ一匹ずつフラリと目前に飛来しただけという、まれに見るスローな日になってしまいました。
それでも、オオマダラをチラリと目撃しましたし、モンカゲロウもいよいよハッチシーズンに突入しかかっています。





2011年12月29日(木)

身近な水生生物観察ガイド出版


2011年12月19日に、文一総合出版より「身近な水生生物観察ガイド」を出版しました。
全カラー159ページで、主なテーマは、
1)水の流れと川の関係
2)水生昆虫の体のしくみ
3)おもしろい生態と行動
4)水生昆虫を探す観察する
5)身近な水生生物図鑑
6)川を調べてみる・・・・・その他
水生昆虫撮影法から、水生昆虫を使った魚の釣り方、EPT指数などを使った新しい河川環境調査法まで詳しく扱っています。
書店などで見かけた際には是非お立ち読みなどよろしくお願いします
また、去年出版した「水生生物ハンドブック」も近日電子出版されます。
是非、川辺でご覧下さい。





2011年10月30日(日)

山地渓流のカエル


本州中部の山地渓流には、ナガレヒキガエルという、山地渓流だけに棲み産卵する珍しいヒキガエルがいる・・・といわれている。
そしてつい先日、静岡県西部の山地渓流でついにそのナガレヒキガエルに遭遇・・・?。
もともと本州には、近畿以西に生息するニホンヒキガエルと北海道から本州東北部に生息するアズマヒキガエルがよく知られており、低山地や人家近くの林や藪に出没する。
しかし、実際には人間によって移動されて、今やアズマとニホンの生息域は非常に混乱している。そして、このナガレヒキガエルは、山地渓流にはいたが、特徴的にナガレかどうかの判断はこの写真だけではつかなかった。残念である。
まあ野生生物を飼いたい人がいて、売る人がいて、本来の生息域外へ逃げる逃がす。ゲンジボタルなども、生息地によって発光パターンが違うという興味深い生態があるのに、ホタル観賞イベントのために原産地を無視して移動したり養殖したりということから、発光パターンの混乱が発生している。
さて、カエルといえば、渓流に生息する日本一の美声ガエル、カジカガエルを紹介しておこう。春から夏、渓流の夕暮れに湧いて響くあの美しい鳴き声からは、まったく想像がつかないような地味な姿。すぐそばで鳴いていても、なかなかその姿は見えないカエルである。
もう一種は、ナガレタゴガエル。これはまた世界的に珍しい渓流性アカガエル。春頃に渓流の砂利の中から小さくクィクィというような、とてもカエルとは思えないかわいい鳴き声を聞かせてくれる。だが、その姿を実際に見ることは非常に難しい。








2011年10月25日(火)

ダムは大水害をもたらす


日常的に川で仕事をする者にとって何が恐ろしいかというとダムの存在である。それは、天候や下流に人がいるかなど関係なく突然水を放流するからである。
もちろん大きな放流をするときにはサイレンが鳴ったり広報車が回る。まあそれも、川の水音で聞こえないことも多い。また、20〜30㎝程度の放水の場合だと何も下流に知らせないことが多く、私などは実際恐ろしい目に何度も遭っている。
深い川に立ち込んでいると、たとえ20㎝の水位上昇でも、人は簡単に流されてしまうのだ。
まあそれでも、世のため人のためにダムがあるのなら仕方がないかと・・・思いがちである。ダムを作るときの殺し文句は「洪水を防ぐ」。この一言で国民は信じて安心する。ところが、これは嘘である。
なぜなら、ダムは構造上満水になると崩壊の危険が高まるので水位を下げるために放水をする。その時、下流でどれほどの洪水になっていようがお構いなしなのである。
ごく最近の例では、2011年の7月末に新潟県の大谷ダム他が大増水のさなかに放流をして堤防が破壊され、1万人以上が避難した。
また、よく知られたところでは、2005年の広島県太田川で、台風14号の豪雨で大水害になった。その洪水警報の最中、上流の温井ダムが放流している。
そして、2011年10月タイ国の大水害である。これも、上流にあるいくつものダムが一斉に放流して史上希に見る大水害を起こしている。
だからといって、関東平野に住んでいる自分も無縁な話ではない。
例の群馬県八ッ場ダムは、関東一円や首都圏の水害を防ぐ切り札のように報道されている。しかし、本当に大雨が降って利根川、荒川が増水し八ッ場ダムが満水になったら、放水してくるだろう。もしダムが崩壊したらそれこそ言葉にいえないほどの大水害になる・・・このダム崩壊も人事ではなくアメリカを始めとしていくつもの国で実際起こっている。
それこそまた関係者だけが「想定外」と言い訳するようなの大水害が発生する可能性がある・・・全然想定外ではないのだが。
また、八ッ場ダムの水を水道として使うなどとも言っているが、ダム上流にはヒ素や強酸性水の流れる支流があり、毎日60トンの石灰を混入しなければならないほどの悪水に大金をかけて飲まされるとはいったいどういうことだろうか。いや、簡単な話、ダムを作らなければよいのだ。原発と同じく。



2011年05月29日(日)

モンカゲロウの産卵


このところ、夕方頃になると渓流の上空ではモンカゲロウのスウォーミング(群飛現象)がよく観察できる。

初めは、オスが垂直上昇と急降下を繰り返すダンスのような飛び方がみられ、それはやがて、メスが一斉に上流へ向かって移動する遡上飛行にかわる。上流の産卵地にたどり着いたメスは、産卵地付近を周回飛行しながらタイミングをはかり、あるときフワリと岸際のヒタヒタするような浅い流れに着水して産卵をする。

この産卵風景の観察は、刻々と暗くなることもあり、そのポイントを察知するのがなかなか難しい。産卵後のメスはすぐに弱って流れに落ちる。


最大で25ミリぐらいにもなるモンカゲロウは、日本では最大種のカゲロウ。

温暖地では、4月から羽化シーズンに入り、北海道では7月上旬頃まで羽化が見られる。関東地方の平地渓流から山地渓流では、ゴールデンウィーク頃から5月いっぱい羽化が見られる。




2011年04月20日(水)

4月18日


今年は桜が遅かったぐらいで、水生昆虫のハッチもなんとなくぼやけてスローペースの印象。せっかく川に出かけても・・・どこぞと同じで想定外ばかり。

それでも、このところの暖かさでやっと春の顔ぶれがそろってきて川に行くのも楽しくなってきた。

昨日は、ビデオ録音に邪魔なほどにさえずりまくるウグイスに混じって今年初めてカジカガエルの鳴き声が聞こえてきた。いよいよ快適に渓流歩きが出来るシーズン突入。

この時期目につくカゲロウには、ウイングにマダラ模様のある連中がいてちょっと注目してみましょう。見分けるのは、なかなかですが、撮り歩きにはぴったりの被写体。

種類としては、マエグロヒメフタオカゲロウ・キョウトヒメフタオカゲロウ・オオヒメフタオカゲロウ(仮称)・クロタニガワカゲロウ・ヤヨイミヤマタニガワカゲロウ・ナミヒラタカゲロウその他。

ウイングだけを見ると、かなりよく似ており、すっきり見分けるにはなかなかの難物。また、特別よく似ているくせに羽化形態が、水中羽化と陸上羽化があったり。よく観察すればさらに深い生態がわかって面白いでしょう。水際で行われる陸上羽化はミモノ。




2011年03月07日(月)

3月4〜5日狩野川水系大見川


4日から、静岡県伊豆市の狩野川水系に出かけました。
ところが、早朝の御殿場では昨夜降ったらしい雪で東名高速周りの風景は真っ白。これはちょっと想定外の寒さです。
狩野川本流に到着してみると、流れには少し濁りがあり水量もこの時期としては珍しく平水以上。
例年渇水すぎて悩まされる季節ですから、まあヤマメには悪くなさそうです。
地元の方に聞くと、2月下旬に150ミリを超える雨が降り、しばらく濁流になっていてやっと落ち着いてきたところだという。
これでは少し水が多すぎるので、支流大見川へ。こっちは、水がよく澄んで平水。
しかも、流れの上空にはかなりたくさんの虫が飛び回っている。
さすがに伊豆半島は季節の進行が早い。11時の段階で、渓流に生息するウスバガガンボが無数に水辺や上空を飛び回っている。また、水際を歩くとマエグロヒメフタオカゲロウのダン(亜成虫)がパタパタ。
他には、ナミヒラタカゲロウ、シロハラコカゲロウ、フタバコカゲロウ、ブユなどが羽化している。
翌5日の昼過ぎには、オオクママダラカゲロウの羽化も確認できた。
水温は、10時頃8℃で昼過ぎには10℃ぐらいまであがった。



2011年03月02日(水)

荒川のライズストーム(埼玉県皆野町)


2月中旬、久々に埼玉県皆野町の荒川冬季ニジマスC&R釣り場へ行ってみた・・・するとどうだ。水位が下がって鏡のようなフラットになった浅いプールがザワザワしているではないか。
最初はどうせウグイの群れかと・・・が、さにあらず。これが全部ニジマスのライズ。
ただライズのほとんどが、水紋がポワリと広がるだけのディンプルライズ。それが、雨降りのように数え切れないほど同時に発生していたのだ。
ドリフターは、ちょっと小さくて体長4ミリほどのユスリカのピューパや羽化直後のアダルト。他には、体長8ミリぐらいの大型ユスリカも数パーセント混じっているが、これはまだ少ない。
私自身は、クロカワゲラを期待していたのだが、2月25日までの状況では、チラリと姿を見る程度しかまだ現れてはいなかった。このC&Rエリアは、3月末まで延長になったので、もうしばらくハイレベルのミッジングが楽しめそうです。マッチフライのサイズは、#24。



2010年12月22日(水)

謎の二枚貝に遭遇


10月のことです。埼玉県羽生市の利根川へ行ってみました。利根川下流域は、川へ近づく道がよくわからないのでちょっと下調べのつもり。
ウロウロしているうちに、なんとか流れまで20メートルぐらいまで車を持って行くことが出来・・・しかし、見渡す限りあまりにフラットで淀んだような平瀬ばかり。これでは水生昆虫の調査には不向きなポイントばかり。
川底の状態も、踏み固めたような砂利で水生昆虫には良くない。一応ネットを入れてみると、ミジカオフタバコカゲロウ、サイドコカゲロウ、シロタニガワカゲロウなどがいる。そこで目を引いたのは、淀みを好むヒメウスバコカゲロウ。しかもこのヒメウスバは、今まで見たことのない斑紋。まあそもそもヒメウスバは、ほとんどがまだ未研究で、名前もまったくついていないし、何種いるかも明らかではない。
・・・とみれば、ネットの中に黄色い二枚貝がいくつか入っている。殻幅4ミリほどしかない若い稚貝だ。
初めて実物に出会ったが、どうやら、近頃話題のタイワンシジミに特徴が似ている。このシジミは、環境省から、「要注意外来生物」として情報が出ている困ったヤツ。
中国などから輸入されたのが、日本各地に逃げ出してかなり繁殖しているらしい。水の汚れも河川環境も一切かまわず平気。あらゆる淡水域で繁殖して、在来種のマシジミを抹殺してしまうらしい。なにせ、雌雄同体で精子を水中に放出して、それを吸い込んだマシジミが産む稚貝はすべてタイワンになってしまうというから恐ろしい。
その後、ヒメウスバは我が家の水槽で羽化して、淡ライムグリーン系のきれいなダン(亜成虫)になった。



2010年11月06日(土)

新訂 水生生物ハンドブック 発刊

「新訂 水生生物ハンドブック」が、文一総合出版より11月7日に発行されました。
このハンドブックシリーズは、たいへん御好評をいただき、掲載種大幅増、内容一新して三代目のハンドブックとなります。
今回は、カゲロウ目。
エルモンヒラタカゲロウ・オオマダラカゲロウ・アカマダラカゲロウ・ヨシノマダラカゲロウ・フタスジモンカゲロウ・シロハラコカゲロウ・サホコカゲロウ・フタモンコカゲロウ・フタバカゲロウ・キイロカワカゲロウ・チラカゲロウ・シロタニガワカゲロウ・ナミトビイロカゲロウ・ナミフタオカゲロウ・ヒメフタオカゲロウ・ヒメシロカゲロウ・モンカゲロウ・オオシロカゲロウ。

カワゲラ目。
キカワゲラ・フタメカワゲラ・オオヤマカワゲラ・カワゲラ・コグサヒメカワゲラ・オナシカワゲラ・キベリトウゴウカワゲラ・セスジミドリカワゲラ・スズキクラカワゲラ・ヤマトカワゲラ・コナガカワゲラ。

トビケラ目。
ヒゲナガカワトビケラ・ウルマーシマトビケラ・オオシマトビケラ・コガタシマトビケラ・ムナグロナガレトビケラ・ヤマトビケラ・コカクツツトビケラ・ニンギョウトビケラ・クダトビケラ・マルツツトビケラ・クロモンエグリトビケラ・アオヒゲナガトビケラ・ヒロアタマナガレトビケラ。

その他の水生生物
コオニヤンマ・ダビドサナエ・ハグロトンボ・ヘビトンボ・ムカシトンボ・モンキマメゲンゴロウ・ゲンジボタル・ナベブタムシ・ウスバガガンボ・マダラガガンボ・タイコウチ・アシマダラブユ・クロバアミカ・ミズカマキリ・ヒラタドロムシ・ミズムシ・セスジユスリカ・ヤマユスリカ・アメリカザリガニ・キタヨコエビ・ナミウズムシ・ニホンドロソコエビ・イソコツブムシ・ヌカエビ・スジエビ・サワガニ・マルタニシ・イトミミズ・シマイシビル・ウマビル
など、河川環境・水質判定に役立つ情報、スコア値も掲載しました。


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