2019年02月08日(金)

クロカワゲラ始動!


1月29日岩手県釜石市。それまでまったく雪が無かったのですが、早朝にサーッと雪が降った。 そこで、甲子川を遡って行ってみた。鉄道釜石線の洞泉駅を過ぎると、雪は3〜4センチ積もっている。 川沿いの道を歩いてみたが、なかなか見つからない。どうも強い風が吹きだしたのが良くないらしい。それでも、渓畔林に積もった雪の上に何やら動くモノを発見・・・いました。全長8ミリ。テールが少し痛んでいましたがクロカワゲラです。やっと、ハッチシーズンが始まるようです。昆虫といえば普通は夏向きな存在のイメージ。ところが、このカワゲラは、寒冷な環境がを好んで、気温がマイナスであろうと、氷や雪の中でもまったく平気。これからの極寒期をハッチ(羽化)シーズンにしている。雪や氷の上を這い回ってオスとメスが出会うという生態で、産卵に向かうメスは、渓流沿いを歩いて上流へ向かう。立派なウイングがあってもあまり飛ばないところが不思議で、ウイングの退化してまったく生えない種もいるから面白い。せっかく進化してウイングを得たのに使わないのではもったいない。同時期に羽化する、大型のユキユスリカなどは、どんどん飛び回るのに、このクロカワゲラは、なぜか這って何百メートルも川を遡っていく。もう少し季節が進めば、渓畔の雪の上をゾロゾロ歩くクロカワゲラママの姿が見られる。