2012年12月18日(火)

11月25日岩手県大槌川


民話などでよく知られた「遠野」に近い山地から流れ出し、太平洋に注ぐ大槌川。その下流域にサケが遡上していると聞いて行ってみた。
この大槌川下流域は、湧水の多い地域で、被災した市街地の中にも湧水源がいくつもあったという。
しかし、東日本大震災による津波と地盤沈下でその湧水流の水生生物はその後どうしているだろう。現地に来て聞くと、その湧水流には本州では珍しい、イトヨの生息地があり、しかも淡水域だけで一生を送る陸封型イトヨがいるという。ただ、生息していた湧水流も、津波の海水に呑み込まれてしまった。
だが、うれしいことに教えられた流れを覗くと、いくつかの群れが直ぐに見られた。その魚体を見ると、2〜3センチぐらいの小型魚と6センチを越えるような個体も一緒に泳いでいた。どうやら一年で産卵して一生を終えるのが多いといわれているけれども例外も少なくないようだ。
驚いたことに、そのイトヨウオッチングをしていた小川にも、サケが遡上しており、ウグイやヤマメやら諸々の魚種豊富なこと。この流程1キロもないようなまさに細流なのに生き物はずいぶんと賑やかで。手軽な自然観察ポイントとして素晴らしいと思った。
※イトヨは、最大でも10センチぐらいの小型魚で、降海型と陸封型がいる。北半球の亜寒帯(冷水域)に生息しており、オスが、産卵地として水草などを集めてトンネル状の巣を作ることで有名。