山地渓流のカエル
ダムは大水害をもたらす
モンカゲロウの産卵
このところ、夕方頃になると渓流の上空ではモンカゲロウのスウォーミング(群飛現象)がよく観察できる。
初めは、オスが垂直上昇と急降下を繰り返すダンスのような飛び方がみられ、それはやがて、メスが一斉に上流へ向かって移動する遡上飛行にかわる。上流の産卵地にたどり着いたメスは、産卵地付近を周回飛行しながらタイミングをはかり、あるときフワリと岸際のヒタヒタするような浅い流れに着水して産卵をする。
この産卵風景の観察は、刻々と暗くなることもあり、そのポイントを察知するのがなかなか難しい。産卵後のメスはすぐに弱って流れに落ちる。
最大で25ミリぐらいにもなるモンカゲロウは、日本では最大種のカゲロウ。
温暖地では、4月から羽化シーズンに入り、北海道では7月上旬頃まで羽化が見られる。関東地方の平地渓流から山地渓流では、ゴールデンウィーク頃から5月いっぱい羽化が見られる。
4月18日
今年は桜が遅かったぐらいで、水生昆虫のハッチもなんとなくぼやけてスローペースの印象。せっかく川に出かけても・・・どこぞと同じで想定外ばかり。
それでも、このところの暖かさでやっと春の顔ぶれがそろってきて川に行くのも楽しくなってきた。
昨日は、ビデオ録音に邪魔なほどにさえずりまくるウグイスに混じって今年初めてカジカガエルの鳴き声が聞こえてきた。いよいよ快適に渓流歩きが出来るシーズン突入。
この時期目につくカゲロウには、ウイングにマダラ模様のある連中がいてちょっと注目してみましょう。見分けるのは、なかなかですが、撮り歩きにはぴったりの被写体。
種類としては、マエグロヒメフタオカゲロウ・キョウトヒメフタオカゲロウ・オオヒメフタオカゲロウ(仮称)・クロタニガワカゲロウ・ヤヨイミヤマタニガワカゲロウ・ナミヒラタカゲロウその他。
ウイングだけを見ると、かなりよく似ており、すっきり見分けるにはなかなかの難物。また、特別よく似ているくせに羽化形態が、水中羽化と陸上羽化があったり。よく観察すればさらに深い生態がわかって面白いでしょう。水際で行われる陸上羽化はミモノ。
3月4〜5日狩野川水系大見川
ところが、早朝の御殿場では昨夜降ったらしい雪で東名高速周りの風景は真っ白。これはちょっと想定外の寒さです。
狩野川本流に到着してみると、流れには少し濁りがあり水量もこの時期としては珍しく平水以上。
例年渇水すぎて悩まされる季節ですから、まあヤマメには悪くなさそうです。
地元の方に聞くと、2月下旬に150ミリを超える雨が降り、しばらく濁流になっていてやっと落ち着いてきたところだという。
これでは少し水が多すぎるので、支流大見川へ。こっちは、水がよく澄んで平水。
しかも、流れの上空にはかなりたくさんの虫が飛び回っている。
さすがに伊豆半島は季節の進行が早い。11時の段階で、渓流に生息するウスバガガンボが無数に水辺や上空を飛び回っている。また、水際を歩くとマエグロヒメフタオカゲロウのダン(亜成虫)がパタパタ。
他には、ナミヒラタカゲロウ、シロハラコカゲロウ、フタバコカゲロウ、ブユなどが羽化している。
翌5日の昼過ぎには、オオクママダラカゲロウの羽化も確認できた。
水温は、10時頃8℃で昼過ぎには10℃ぐらいまであがった。
荒川のライズストーム(埼玉県皆野町)
最初はどうせウグイの群れかと・・・が、さにあらず。これが全部ニジマスのライズ。
ただライズのほとんどが、水紋がポワリと広がるだけのディンプルライズ。それが、雨降りのように数え切れないほど同時に発生していたのだ。
ドリフターは、ちょっと小さくて体長4ミリほどのユスリカのピューパや羽化直後のアダルト。他には、体長8ミリぐらいの大型ユスリカも数パーセント混じっているが、これはまだ少ない。
私自身は、クロカワゲラを期待していたのだが、2月25日までの状況では、チラリと姿を見る程度しかまだ現れてはいなかった。このC&Rエリアは、3月末まで延長になったので、もうしばらくハイレベルのミッジングが楽しめそうです。マッチフライのサイズは、#24。
謎の二枚貝に遭遇
ウロウロしているうちに、なんとか流れまで20メートルぐらいまで車を持って行くことが出来・・・しかし、見渡す限りあまりにフラットで淀んだような平瀬ばかり。これでは水生昆虫の調査には不向きなポイントばかり。
川底の状態も、踏み固めたような砂利で水生昆虫には良くない。一応ネットを入れてみると、ミジカオフタバコカゲロウ、サイドコカゲロウ、シロタニガワカゲロウなどがいる。そこで目を引いたのは、淀みを好むヒメウスバコカゲロウ。しかもこのヒメウスバは、今まで見たことのない斑紋。まあそもそもヒメウスバは、ほとんどがまだ未研究で、名前もまったくついていないし、何種いるかも明らかではない。
・・・とみれば、ネットの中に黄色い二枚貝がいくつか入っている。殻幅4ミリほどしかない若い稚貝だ。
初めて実物に出会ったが、どうやら、近頃話題のタイワンシジミに特徴が似ている。このシジミは、環境省から、「要注意外来生物」として情報が出ている困ったヤツ。
中国などから輸入されたのが、日本各地に逃げ出してかなり繁殖しているらしい。水の汚れも河川環境も一切かまわず平気。あらゆる淡水域で繁殖して、在来種のマシジミを抹殺してしまうらしい。なにせ、雌雄同体で精子を水中に放出して、それを吸い込んだマシジミが産む稚貝はすべてタイワンになってしまうというから恐ろしい。
その後、ヒメウスバは我が家の水槽で羽化して、淡ライムグリーン系のきれいなダン(亜成虫)になった。
新訂 水生生物ハンドブック 発刊
このハンドブックシリーズは、たいへん御好評をいただき、掲載種大幅増、内容一新して三代目のハンドブックとなります。
今回は、カゲロウ目。
エルモンヒラタカゲロウ・オオマダラカゲロウ・アカマダラカゲロウ・ヨシノマダラカゲロウ・フタスジモンカゲロウ・シロハラコカゲロウ・サホコカゲロウ・フタモンコカゲロウ・フタバカゲロウ・キイロカワカゲロウ・チラカゲロウ・シロタニガワカゲロウ・ナミトビイロカゲロウ・ナミフタオカゲロウ・ヒメフタオカゲロウ・ヒメシロカゲロウ・モンカゲロウ・オオシロカゲロウ。
カワゲラ目。
キカワゲラ・フタメカワゲラ・オオヤマカワゲラ・カワゲラ・コグサヒメカワゲラ・オナシカワゲラ・キベリトウゴウカワゲラ・セスジミドリカワゲラ・スズキクラカワゲラ・ヤマトカワゲラ・コナガカワゲラ。
トビケラ目。
ヒゲナガカワトビケラ・ウルマーシマトビケラ・オオシマトビケラ・コガタシマトビケラ・ムナグロナガレトビケラ・ヤマトビケラ・コカクツツトビケラ・ニンギョウトビケラ・クダトビケラ・マルツツトビケラ・クロモンエグリトビケラ・アオヒゲナガトビケラ・ヒロアタマナガレトビケラ。
その他の水生生物
コオニヤンマ・ダビドサナエ・ハグロトンボ・ヘビトンボ・ムカシトンボ・モンキマメゲンゴロウ・ゲンジボタル・ナベブタムシ・ウスバガガンボ・マダラガガンボ・タイコウチ・アシマダラブユ・クロバアミカ・ミズカマキリ・ヒラタドロムシ・ミズムシ・セスジユスリカ・ヤマユスリカ・アメリカザリガニ・キタヨコエビ・ナミウズムシ・ニホンドロソコエビ・イソコツブムシ・ヌカエビ・スジエビ・サワガニ・マルタニシ・イトミミズ・シマイシビル・ウマビル
など、河川環境・水質判定に役立つ情報、スコア値も掲載しました。
男鹿川三依地区キャッチアンドリリース区間オープン
この男鹿川には、すでに川治温泉付近にキャッチアンドリリース区間があ、その様子は雑誌Fly Fisherでの記事やDVDで何度も取り上げているところ。その上流三依地区に、この春から、さらにキャッチアンドリリース区間が追加オープンとなった。
ここは、見てのとおりの素晴らしい渓畔林があり、清冽な水が流れている。
そして、キャッチアンドリリースのおかげで、5月下旬になる頃になっても、多数のヤマメが泳ぎ回ってライズもしている。まあ、その辺の話は、近々作る予定のDVDに取り上げますので、ご覧下さい。
まっその取材中にふと足元を見ると、セスジミドリカワゲラの羽化に混じって、トンボのヤゴがウロウロ。それがしばらくすると、見事羽化成功。その一部始終に見とれてしまいました。
このヒメクロサナエトンボは、山地渓流に生息する種で、羽化後もう少し時間が経つと、ビシッと黒いボディにイエローのストライプの入った美しいトンボになる。
このあたりは、標高が高く水生昆虫の本格的ハッチシーズンは、まだこれからというところで、たいへん楽しみです。









