2011年05月29日(日)

モンカゲロウの産卵


このところ、夕方頃になると渓流の上空ではモンカゲロウのスウォーミング(群飛現象)がよく観察できる。

初めは、オスが垂直上昇と急降下を繰り返すダンスのような飛び方がみられ、それはやがて、メスが一斉に上流へ向かって移動する遡上飛行にかわる。上流の産卵地にたどり着いたメスは、産卵地付近を周回飛行しながらタイミングをはかり、あるときフワリと岸際のヒタヒタするような浅い流れに着水して産卵をする。

この産卵風景の観察は、刻々と暗くなることもあり、そのポイントを察知するのがなかなか難しい。産卵後のメスはすぐに弱って流れに落ちる。


最大で25ミリぐらいにもなるモンカゲロウは、日本では最大種のカゲロウ。

温暖地では、4月から羽化シーズンに入り、北海道では7月上旬頃まで羽化が見られる。関東地方の平地渓流から山地渓流では、ゴールデンウィーク頃から5月いっぱい羽化が見られる。




2010年12月22日(水)

謎の二枚貝に遭遇


10月のことです。埼玉県羽生市の利根川へ行ってみました。利根川下流域は、川へ近づく道がよくわからないのでちょっと下調べのつもり。
ウロウロしているうちに、なんとか流れまで20メートルぐらいまで車を持って行くことが出来・・・しかし、見渡す限りあまりにフラットで淀んだような平瀬ばかり。これでは水生昆虫の調査には不向きなポイントばかり。
川底の状態も、踏み固めたような砂利で水生昆虫には良くない。一応ネットを入れてみると、ミジカオフタバコカゲロウ、サイドコカゲロウ、シロタニガワカゲロウなどがいる。そこで目を引いたのは、淀みを好むヒメウスバコカゲロウ。しかもこのヒメウスバは、今まで見たことのない斑紋。まあそもそもヒメウスバは、ほとんどがまだ未研究で、名前もまったくついていないし、何種いるかも明らかではない。
・・・とみれば、ネットの中に黄色い二枚貝がいくつか入っている。殻幅4ミリほどしかない若い稚貝だ。
初めて実物に出会ったが、どうやら、近頃話題のタイワンシジミに特徴が似ている。このシジミは、環境省から、「要注意外来生物」として情報が出ている困ったヤツ。
中国などから輸入されたのが、日本各地に逃げ出してかなり繁殖しているらしい。水の汚れも河川環境も一切かまわず平気。あらゆる淡水域で繁殖して、在来種のマシジミを抹殺してしまうらしい。なにせ、雌雄同体で精子を水中に放出して、それを吸い込んだマシジミが産む稚貝はすべてタイワンになってしまうというから恐ろしい。
その後、ヒメウスバは我が家の水槽で羽化して、淡ライムグリーン系のきれいなダン(亜成虫)になった。



2009年04月21日(火)

4月15〜17日栃木県日光市川治温泉男鹿川C&R区間


4月15〜17日栃木県日光市川治温泉男鹿川C&R区間。
栃木県は、4月14日の午後より雨が降り出し。私がいた、鬼怒川沿いの山間部では、嵐のような大雨となった。当然そうなると一般渓流ではかなりの増水となった。
そこで、増水に強いダム下テイルウォーターの男鹿川C&R区間に行ってみた。すると流れはほとんど平水で、濁りも無かった。
早速、渓流沿いの遊歩道へ降りてみると・・・なんと、そこにはバコバコと続くランライズ。
午前10時のことだった。それが昼近くなると、足下の周囲から中型のカゲロウがバラバラと湧くように飛び出して・・・マエグロヒメフタオカゲロウのハッチが始まった。
渓谷に春の到来を告げるビジュアルサインのマーチブラウン(4月ですが・・・)メイフライだ。
だが、流れの中は別世界。シロハラコカゲロウとトゲトビイロカゲロウの両水面羽化キャラクターのダブり・・・とそこへ、風が吹き出してノックダウンが発生。マエグロドリフターが加わった三つ巴状態。まったく面白い季節だ。
なお。このC&R区間は、今期から大型ニジマスをメインにした釣り場に変貌しており、非常に楽しみな川になった。そして、この流れを管理している藤原町漁協のメンバーと会談の機会があり、刈田は、水生昆虫そしてライズを意識した「最高に面白いC&Rリバー」へ向けた協力をすることになり、C&R区間特別顧問担当になりました。



2009年03月30日(月)

荒川(埼玉県)のスウォーミングとドリフター


私の場合、土日祝日は川が混むのでお休みにして出かけない。それが日中吹いていた風も弱まり、なにやらいい感じなので最寄りの荒川までウォーキングしてみた。
家から、最短コースをたどり急ぎ足で歩くと約35分。荒川河川敷の麦畑に到着。
さらに流れを見ようと、麦畑を突っ切ってヨシ原に向かう。すると突然、ワンワンと乱れ飛ぶ羽虫の巨大な群れに遭遇。午後4時30分。
一瞬ユスリカかと思った。だがサイズがやや大きく、しかも脚が長い。どうもガガンボらしい。そこで携帯用折り畳みネットを振り回す。たった一振りで何十匹も入る。これほど楽な昆虫採集もない。ウスバガガンボだった。これは、流水性のガガンボでこの時期昼前後に羽化し、夕方水際に集合して産卵行動が見られる。その産卵直前のスウォーミング(交尾する為にある特定の空間に集合して群れ飛ぶ現象)にであったのだ。
それから、荒川の水辺に降りる。ところが、こっちにはまるで水生昆虫の気配はない・・・
しばらく流れをチェックしていると、やっとヒラタカゲロウの仲間らしい羽化失敗個体が流れを漂っているのを発見。手に取ってみれば、ソラックス(胸部)の特徴からサツキヒメヒラタカゲロウ。このカゲロウは、サツキというくらいで初夏に羽化シーズンを迎える。ところが、日当りの良い流れや、暖地では4月上旬から羽化することがあり、紀伊半島南端の流れでは、12月に羽化していた。羽化シーズンの研究もなかなか難しい。



2009年03月21日(土)

3月18日栃木県今市市大谷川


3月18日栃木県大谷川
日中はポカポカと暖かく、朝9時に7℃だった水温は昼過ぎには13℃に達した。
河原にいても、すっかり春の陽気でつい眠くなるほど・・・・ドリフターが非常に少なかった。そのためライズもあっちへこっちへとヤマメが探しまわって拾い食いするような状況。
ハッチの主体は、ウスバガガンボにユスリカ。ここではまだコカゲロウ系の動きはまったく見えない。その代わりに、ヤマトビケラがもうハッチし始めていた。そこで川の中を覗いてみるとヤマトビケラのケースがビッシリと底石についていた。大量に生息しているのだ。このヤマトビは、ハッチがあればスイミングピューパの釣りとなり、独特の非常に面白いものがある。ここのヤマメは、サイズ的にいまいちだったが非常にきれいで、そこらの成魚放流ものとはまるで違っていた。



2009年03月17日(火)

シロハラハッチ近し!!


3月16日。午後から近くの川へ、飼育用ニンフの採集に行ってみた。ここは、埼玉県荒川水系都幾川。川としては平地流でヤマメの生息域よりも下流。ここは、水源が低山地にあり、気候が春めいてくると、すぐに水温が上がる。つまり、一般渓流の先触れ的にハッチ状況がわかる。
もともとこの時期は、これからの羽化シーズンを控え、川の中は一年でも最も多種多様に水生昆虫が観察出来る頃なのだ・・・・だが、最近の川は油断ならない、工事や人為的水質の急変などから水生昆虫激減なんてこともことも珍しくはない。
・・・などと心配しながら、川にネット入れる・・大丈夫だった。シロハラコカゲロウ、オオマダラカゲロウ、オオクママダラカゲロウ、ウスバガガンボ、オニヒメタニガワカゲロウ、オオヤマカワゲラその他。ぞろぞろと入って来た。
特に、シロハラコカゲロウは、ウイングパッド(翅芽)つまり、成虫になったときに翅になる部分がすでに濃褐色に変化しており羽化間近いことがわかる。いよいよ、ハッチシーズンが始まる。急げ渓へ。