2011年10月30日(日)

山地渓流のカエル


本州中部の山地渓流には、ナガレヒキガエルという、山地渓流だけに棲み産卵する珍しいヒキガエルがいる・・・といわれている。
そしてつい先日、静岡県西部の山地渓流でついにそのナガレヒキガエルに遭遇・・・?。
もともと本州には、近畿以西に生息するニホンヒキガエルと北海道から本州東北部に生息するアズマヒキガエルがよく知られており、低山地や人家近くの林や藪に出没する。
しかし、実際には人間によって移動されて、今やアズマとニホンの生息域は非常に混乱している。そして、このナガレヒキガエルは、山地渓流にはいたが、特徴的にナガレかどうかの判断はこの写真だけではつかなかった。残念である。
まあ野生生物を飼いたい人がいて、売る人がいて、本来の生息域外へ逃げる逃がす。ゲンジボタルなども、生息地によって発光パターンが違うという興味深い生態があるのに、ホタル観賞イベントのために原産地を無視して移動したり養殖したりということから、発光パターンの混乱が発生している。
さて、カエルといえば、渓流に生息する日本一の美声ガエル、カジカガエルを紹介しておこう。春から夏、渓流の夕暮れに湧いて響くあの美しい鳴き声からは、まったく想像がつかないような地味な姿。すぐそばで鳴いていても、なかなかその姿は見えないカエルである。
もう一種は、ナガレタゴガエル。これはまた世界的に珍しい渓流性アカガエル。春頃に渓流の砂利の中から小さくクィクィというような、とてもカエルとは思えないかわいい鳴き声を聞かせてくれる。だが、その姿を実際に見ることは非常に難しい。