2010年12月22日(水)

謎の二枚貝に遭遇


10月のことです。埼玉県羽生市の利根川へ行ってみました。利根川下流域は、川へ近づく道がよくわからないのでちょっと下調べのつもり。
ウロウロしているうちに、なんとか流れまで20メートルぐらいまで車を持って行くことが出来・・・しかし、見渡す限りあまりにフラットで淀んだような平瀬ばかり。これでは水生昆虫の調査には不向きなポイントばかり。
川底の状態も、踏み固めたような砂利で水生昆虫には良くない。一応ネットを入れてみると、ミジカオフタバコカゲロウ、サイドコカゲロウ、シロタニガワカゲロウなどがいる。そこで目を引いたのは、淀みを好むヒメウスバコカゲロウ。しかもこのヒメウスバは、今まで見たことのない斑紋。まあそもそもヒメウスバは、ほとんどがまだ未研究で、名前もまったくついていないし、何種いるかも明らかではない。
・・・とみれば、ネットの中に黄色い二枚貝がいくつか入っている。殻幅4ミリほどしかない若い稚貝だ。
初めて実物に出会ったが、どうやら、近頃話題のタイワンシジミに特徴が似ている。このシジミは、環境省から、「要注意外来生物」として情報が出ている困ったヤツ。
中国などから輸入されたのが、日本各地に逃げ出してかなり繁殖しているらしい。水の汚れも河川環境も一切かまわず平気。あらゆる淡水域で繁殖して、在来種のマシジミを抹殺してしまうらしい。なにせ、雌雄同体で精子を水中に放出して、それを吸い込んだマシジミが産む稚貝はすべてタイワンになってしまうというから恐ろしい。
その後、ヒメウスバは我が家の水槽で羽化して、淡ライムグリーン系のきれいなダン(亜成虫)になった。