2009年03月30日(月)

荒川(埼玉県)のスウォーミングとドリフター


私の場合、土日祝日は川が混むのでお休みにして出かけない。それが日中吹いていた風も弱まり、なにやらいい感じなので最寄りの荒川までウォーキングしてみた。
家から、最短コースをたどり急ぎ足で歩くと約35分。荒川河川敷の麦畑に到着。
さらに流れを見ようと、麦畑を突っ切ってヨシ原に向かう。すると突然、ワンワンと乱れ飛ぶ羽虫の巨大な群れに遭遇。午後4時30分。
一瞬ユスリカかと思った。だがサイズがやや大きく、しかも脚が長い。どうもガガンボらしい。そこで携帯用折り畳みネットを振り回す。たった一振りで何十匹も入る。これほど楽な昆虫採集もない。ウスバガガンボだった。これは、流水性のガガンボでこの時期昼前後に羽化し、夕方水際に集合して産卵行動が見られる。その産卵直前のスウォーミング(交尾する為にある特定の空間に集合して群れ飛ぶ現象)にであったのだ。
それから、荒川の水辺に降りる。ところが、こっちにはまるで水生昆虫の気配はない・・・
しばらく流れをチェックしていると、やっとヒラタカゲロウの仲間らしい羽化失敗個体が流れを漂っているのを発見。手に取ってみれば、ソラックス(胸部)の特徴からサツキヒメヒラタカゲロウ。このカゲロウは、サツキというくらいで初夏に羽化シーズンを迎える。ところが、日当りの良い流れや、暖地では4月上旬から羽化することがあり、紀伊半島南端の流れでは、12月に羽化していた。羽化シーズンの研究もなかなか難しい。