2006年09月29日(金)

放流は危ない!

平水の渓流
ダムの放流によって増水した川。

9月の中旬は鬼怒川水系におりました。
雨がちの天気の上に、台風接近か?という状況で、水生昆虫の動きは乏しく一旦引き上げようか思っていた頃。
渓畔道路を、上流方向から宣伝カーが何か放送しながら走ってきます。
「なんだい、騒がしい。こんな山奥に何を売りに来たか・・・」
最初、谷に反響してよく聞き取れません。
(どうせ、私には関係ない・・・)
そのうち、「放流します」と聞き取れた。
(おおっ、ヤマメでも放流するのか)
「毎秒○○トンの放流を・・・」
なんと、ダムの放水でした。永いこと川でウロウロしていますが初めての状況です。
(別に大雨が降っているわけじゃなし、2〜30センチぐらい水位が上がるのだろうか)
そこへ友人の地元フライフィッシャーがやって来ました。
「たぶん、こん回の放流量だと2メートル以上水位が上がるかもしれません。直ぐ上がって下さい」
でも、その時間が来たのになかなか水位は上がりません。
(ええ〜っ?本当に、そんな水が来るのかな)
・・・とふと水際を見ると・・・河原の石がなにやらウルウル水っぽくなってきたかな。
・・と次の瞬間、水音が急に高まって河原全体から湧くように水が出てきてもう、川全体が滝のような有様。
てっきり、大波が津波のように来るのかと思っていたのですが。
「ウルウル・・ドゴゴーッ」
信じられないパワーの水流。水が増えてから川を渡るなどまったく不可能。生きては帰れません。
やっぱりダムの放水にはそうとう気を付けなくては行けません。聞くところによると、川によっては定期的に放水しているために、警報や広報活動をしない場合もあるようです。
よそから訪れたものには、そんなことわかりませんから、非常に危険です。
以前、丹沢でキャンパーが、ダム放流の犠牲になって多数亡くなったこともありました。
警報や、地元情報にはくれぐれも気を付けましょう。