2006年09月06日(水)

謎のカゲロウがついに羽化!埼玉県荒川

岸際に浮かぶオオシロカゲロウ。水中には、産み落とされたクリーム色の卵塊が沈んでいる。

ここ数年、ずっと探していたカゲロウがやっと見つかった。
なにせ、年に一度9月にしか羽化がなくて、近年その時期になると台風やら大雨などの洪水でお流れ。
それが、9月4日、埼玉県の荒川に出現した。私も、初めて見るオオシロカゲロウ。

実は今年、夏の初めに幼虫を採集出来たので、水害に備えて飼育しており、今年は万全の体勢になっていた。
それでも、その時期が近づくと待ち遠しくて・・・なにせ、羽化後たった数十分で死んでしまうという話だったから出会うのは大変である。もう1週間も毎日夕方になると荒川通い。
それが、実にあっけなく、9月4日18時過ぎ、まだ明るいというのに前触れにパラリと2匹が羽化。これは来るかなと待っているそれっきり。つぎの羽化が始まったのは19時をかなり回ってから。
このカゲロウに何故注目していたのかというと、その生態が謎だらけで、見つけにくい。それなのに、身近な荒川に大量に生息している・・・らしいということ。
その見つけにくいのは、幼虫は、川の底質内に深くトンネルを潜って生息しており、その上、羽化が真っ暗になってから。そのくせ、やっと羽化したと思ったらすぐ死んでしまう薄命。
これは、実際に観察して見たら、メスだけが羽化、その直後なんと亜成虫のまま産卵して死んでしまった。
つまり交尾すらしなかった。いったいどうなっているのか?
この生態に関しては、産地によって、オスが出て亜成虫から成虫になり交尾もするというところもあるということで、やっぱり訳がわからず、なお一層不思議なのである。