ユスリカピューパ

写真は、ヤマユスリカのピューパ(蛹)体長6ミリ

この種は、水のきれいな渓流に生息しているユスリカのグループで、主に晩秋から冬、早春にかけて羽化してきます。特に大型種も多く、同科にオオユキユスリカなど、体長9ミリぐらいのピューパもいます。
さて、ここでは、ヤマユスリカの羽化について紹介しましょう。
幼虫は、石の側面下などに、微細な砂粒でチクワ状(トンネル)の巣を作ってその中に棲んでいます。
そして、羽化期が近づくとその中でピューパになり、ある日の日中、ピューパは巣から出て水中へ。その際、ピューパのシャックと体との間に溜めたガスの浮力によって水面に向かって上昇。そして、水面に達すると、シャックが割れて成虫の体が水面上に出て羽化します。
この、羽化のために巣から出てきたピューパをフライフィッシング用語では、イマージングピューパといいます。
このピューパの羽化行動がスムーズに終わればいいのですが、浮上するためのガスが足らなかったり、水面へ達したのにシャックが割れない。等々、様々な要因で、羽化出来ずに溺れ死んでしまう個体が多く発生します。これがスティルボーンです。スティルボーンは、水面直下から水中を流下してトラウトなどに捕食される。