2005年08月04日(木)

ミズーリリバー(モンタナ州 USA)


7月は、アメリカモンタナ州やアイダホ州の川を回ってきました。
写真は、ミズーリリバーの午前10時すぎ。川の上空に漂う煙のようなスウォーミング(群飛)は、カゲロウの1種トライコ(はめ込み写真参照)。
このトライコとは、日本に同一種はいませんが、唯一ヒメシロカゲロウが姿も生態も比較的よく似ている。よく短命のたとえに挙がるカゲロウ類の中でもひときわ短命なのがこのトライコ。
朝、羽化したダン(亜成虫)は30分もしない内にもう一度脱皮してスピナー(成虫)になる。そしてオスはすぐに上空に飛び出してスウォーミングをしてメスを誘い交尾へ。
交尾したメスはすぐに流れに降りて産卵。そのまま流されて一生を終える。
それを待ちかまえているのがマスで、大量に流下するスペントスピナーをライズして捕食するわけです。この写真のスウォーミングは、高さ5〜60メートルにもなりそうな巨大なもの。ところが、羽化量の多い日には、川幅100m近いミズーリリバーを覆い尽くす川霧のようなスウォーミングが見られるそうです。
7月は、もっとも水生昆虫の多く羽化するシーズンでもあり、他にも、マダラカゲロウやシマトビケラが羽化していました。いずれにしろ、川幅は広く、均質的な川底のため同一種が莫大量生息しており、その羽化や産卵に絡んだ流下昆虫の量は、凄まじい。また、その、膨大な量のエサを食おうとライズするマスは、平均で45cmぐらい。60センチ以上のレインボーやブラウンも普通。それが、ポイント毎に群れをなしてバックバクのライズ。ただし、マスがどんなにたくさん居ても釣りとしては1級の難易度があり、1〜2日やってボーズも珍しくはない。